ドラマ『深夜特急』全3部の各部が描く土地 — 原作の何巻にあたるか
放送局側の番組紹介(ファミリー劇場)に出てくる土地を、原作の巻に重ねると次のようになります。 第1部「熱風アジア編」はデリーに着く前の区間で、原作の1巻が中心(香港・カルカッタ)、第2部「西へ!ユーラシア編」は3巻の終わりから4巻の入口(ベナレス、デリー、パキスタン国境)、第3部「飛光よ!ヨーロッパ編」は4巻の終わりから5巻(イラン、トルコ、ギリシャ)。 各部の紹介文に、ロンドンへの到着は出てきません。 視聴の方法はドラマはどこで見れるかにあります。
編集:ちんあなご編集部/最終確認:2026年11月7日/作品本文・台詞の引用はありません
3部の対応表
| 部 | 放送 | 番組紹介に出てくる土地 | 原作で重なる巻 |
|---|---|---|---|
| 第1部 熱風アジア編 | 1996年12月8日 | デリー、ロンドン(目的地として)、カルカッタ、香港 | 1巻が中心 |
| 第2部 西へ!ユーラシア編 | 1997年7月3日 | ベナレス、カジュラホー、デリー、アムリトサル、パキスタンの国境付近 | 3巻の終わり〜4巻の入口 |
| 第3部 飛光よ!ヨーロッパ編 | 1998年1月6日 | イラン・トルコ国境、トラブゾン、イスタンブール、アテネ、ペロポネソス半島 | 4巻の終わり〜5巻 |
第1部の放送日は日本民間放送連盟の番組データで確かめました。 第2部・第3部の放送日は当サイトのドラマ版の解説と同じ表記で、放送局側のページでは今回確かめられていません。 巻の対応は、番組紹介の土地を国から巻を探すの表に当てはめた当サイトの整理で、制作側が示した対応ではありません。
第1部「熱風アジア編」
1996年12月8日(日)19時から20時54分、97分の枠で放送されました。 日本民間放送連盟の番組データによると、制作は名古屋テレビ放送(メ~テレ)、制作社はカノックス。 原作は沢木耕太郎の『深夜特急』、脚本は水谷龍二、企画・構成は源高志、演出は小野鉄二郎、主演は大沢たかおです。
同じ番組データに、第45回日本民間放送連盟賞ドラマ番組部門の最優秀を受けた作品と記録されています。 3部のうち、受賞が公式データで確認できたのは第1部だけです。
番組紹介の筋は、友人との賭けをきっかけにデリーからロンドンまで乗合バスで行く旅に出る、というものです。 ガイドブックは持たず、アジアとヨーロッパの地図だけが頼りで、まずカルカッタへ向かうとあります。 香港返還に象徴される変化の激しいアジアの熱気のなかで、主人公の気持ちが揺れ動いていく、と紹介されています。 つまりこの部は、デリーに着く前の「寄り道」の区間を描く部です。 原作でデリーに着くのは3巻なので、第1部が3巻までを含むかどうかは、紹介文からは分かりません。
第2部「西へ!ユーラシア編」
番組紹介では、主人公がインドに戻り、ヒンズー教の聖地ベナレスに着くところから始まります。 ガンジスの夜明けに祈る人々、石像寺院で知られるカジュラホーを経て、本来の出発地デリーへ向かいます。 そこから、いよいよロンドンまでの乗合バスの旅が始まるとされています。
後半では、偶然出会った日本人の中年旅行者とパキスタンの国境を目指し、国境の街アムリトサルで別れます。 その後、一人で入った映画館を出たところで、警官に爆弾犯と間違われる出来事が紹介されています。 原作の通り順で言うと、ベナレス(10)→デリー(11)→ペシャワール(12)の手前にあたる区間です(作中のルート)。 この部の題「西へ!」は、デリーから西へ向かう旅の本題が始まることを指していると読めます。
第3部「飛光よ!ヨーロッパ編」
第3部の紹介文は、イランとトルコの国境を乗合バスで抜ける場面から始まります。 田舎町で安宿を探してトルコ料理に満足し、黒海沿岸のトラブゾンを経て、イスタンブールへ。 アジアとヨーロッパが混ざり合う街の熱気に、主人公は香港と同じような興奮を覚えます。 続くアテネではヨーロッパの文明に刺激を受け、憧れのペロポネソス半島へ向かいますが、期待した温かな触れ合いはなく、空虚な美しさがあった、と紹介されています。
題の「飛光よ」は、原作では単行本第三便『飛光よ、飛光よ』と文庫6巻の最終章の題にあたる言葉です。 ただし紹介文に出てくる最も西の土地はギリシャで、ロンドンの場面は紹介されていません。 題と描かれる範囲が、原作の6巻とそのまま重なるとは言えない点には注意してください(単行本3冊と文庫6巻の対応)。
3部では描かれていない区間
3つの紹介文に出てくる土地だけを原作の通り順に並べると、次の区間は紹介文に現れません。
- パキスタンの内陸からアフガニスタンのカブール、イランのテヘランまで:第2部の終わりと第3部の始まりの間にあたります。原作の4巻の大部分です。
- ギリシャより西:ローマ、マルセイユ、マドリード、リスボン、サグレス、パリ、ロンドン。原作の6巻の区間です。
- マレー半島とシンガポール:原作の2巻にあたる区間は、第1部の紹介文には出てきません。
あくまで番組紹介の文面から言えることで、実際の映像に何が映っているかは確かめていません。 映像を見る機会があれば、上の区間が描かれているかを見比べてみてください。 原作と映像の違いの全体像はドラマ版の解説にあります。
参照元(2026年11月7日確認)
- 日本民間放送連盟 — 劇的紀行 深夜特急'96 ~熱風アジア編~(放送日・制作・受賞)
- ファミリー劇場 — 第1部/第2部/第3部(番組紹介)
- 新潮社 — 深夜特急 第三便 飛光よ、飛光よ