『深夜特急』全6巻の構成
現在最も広く読まれている新潮文庫版は、全6巻に再編されたものです。 巻が進むにつれて舞台が東から西へ移動していくため、 順番に読むと旅の地理がそのまま追えます。
最終更新:2026年8月6日
単行本と文庫版の違い
もともとの単行本は「便」という単位で3冊にまとめられていました。 文庫化にあたって地域ごとに分け直され、6巻構成になっています。
| 形態 | 冊数 | 区切り方 |
|---|---|---|
| 単行本 | 3冊 | 第一便『黄金宮殿』/第二便『ペルシャの風』/第三便『飛光よ、飛光よ』 |
| 新潮文庫版 | 6巻 | 地域ごと |
全6巻の一覧
各巻の巻末には、著者と各界の人物との対談が収録されています。 作品本編とは別に、この対談を目当てに読む読者も少なくありません。
-
1
香港・マカオ
旅の始まりの巻。物語はデリーではなく香港から動き出します。 巻末対談の相手は山口文憲。 この巻は単独の解説ページを用意しています。
-
2
マレー半島・シンガポール
東南アジアを南下していく巻。 巻末対談の相手は高倉健。俳優との対談という異色の組み合わせです。
-
3
インド・ネパール
当初の出発点として構想されていたデリーを含む巻。 巻末対談の相手は此経啓助。
-
4
シルクロード
中央アジアから中東へ、陸路で西進していく巻。 巻末対談の相手は今福龍太。
-
5
トルコ・ギリシャ・地中海
アジアからヨーロッパへ渡る境目の巻。 巻末対談の相手は高田宏。
-
6
南ヨーロッパ・ロンドン
最終巻。当初の目的地であるロンドンにたどり着きます。 巻末対談の相手は井上陽水。
近年は6巻をまとめた合本版が電子書籍で刊行されています。 増補新版には、あの旅をめぐるエッセイが新たに追加されています。 紙で揃えるか、合本の電子版にするかは好みの分かれるところですが、 長旅に持っていくなら電子版が現実的です。
どの巻から読むか
結論から言えば、第1巻から順番に読むのが最善です。 この作品は各巻が独立したエピソード集ではなく、 「目的地に向かっているのに、なかなか進まない」という状態そのものが主題だからです。 途中から読むと、その滞留の意味が分かりません。
ただし、特定の地域に関心があって手に取る場合はこの限りではありません。 たとえば中央アジアや中東に興味があるなら第4巻から、 トルコなら第5巻から読み始めても、その地域の描写自体は十分に楽しめます。 各巻がどの土地を扱うかは作中のルートで 地理的な順序と合わせて確認できます。