作中のルート — 香港からロンドンまで
当初の構想は「デリーからロンドンまで」でしたが、実際の旅はもっと東から始まり、 はるかに長い道のりになりました。 実際にたどられた経路を、順を追って整理します。
最終更新:2026年8月6日
ルートの全体像
大づかみに言えば、ユーラシア大陸を東の端から西の端まで、陸路中心で横断する経路です。 現在の世界一周ルートで言えば、アジア区間と欧州区間をつなぐ部分にあたります。
- 香港・マカオ 出発点 旅の始まり。デリーへ向かう前の「寄り道」のはずが、 作品の中でも屈指の密度で描かれる土地になりました。
- タイ(バンコク) 東南アジアへ。ここから南下していきます。
- マレーシア(ペナン、クアラルンプール)・シンガポール マレー半島を南端まで下る区間。
- インド(カルカッタ、ブッダガヤ、ベナレス、デリー)/ネパール 当初の構想上の出発点だったデリーに、ようやくたどり着く区間。 ここから本来の「乗合バスでロンドンへ」が始まります。
- パキスタン(ペシャワール) インド亜大陸から中央アジアへの入口。
- アフガニスタン(カブール) 当時のルート 1970年代当時、陸路横断の主要な経路上にありました。 現在は同じようには通れません(後述)。
- イラン(テヘラン) 中東へ。ここも当時と現在では状況が大きく異なります。
- トルコ(アンカラ、イスタンブール) アジアとヨーロッパの境目。 陸路の旅において象徴的な意味を持つ区間です。
- ギリシャ(アテネ) ヨーロッパ側へ。
- イタリア(ローマ) 地中海沿いに西へ。
- フランス(マルセイユ、パリ) 南仏から北上。
- スペイン(マドリード)/ポルトガル(リスボン、サグレス) イベリア半島へ。サグレスはユーラシア大陸の南西の端にあたり、 この旅において特別な意味を持つ場所として描かれます。
- ロンドン 目的地 当初に掲げた目的地。
「デリーからロンドン」のはずだった
この経路を見て気づくのは、当初の目的地であるデリーに着くまでが、すでに長いことです。 香港、タイ、マレー半島、シンガポールを経て、ようやくインドに入ります。
当人の言い分としては、デリーへ向かう途中の寄り道です。 しかしその寄り道が全6巻のうち3巻分を占めます。 「目的地に向かう話」ではなく「目的地に向かえない話」になっているという、 この作品の構造がここに表れています。
いま同じルートは通れるのか
作中の旅は1974年のものです。 当時陸路で抜けられた区間のいくつかは、現在は同じように通行できません。 とくにアフガニスタンやイランを含む区間は、渡航そのものの可否から確認が必要です。 現在の渡航可否は、必ず外務省海外安全ホームページなどの 公式情報でご確認ください。
現在、日本から陸路で西へ向かう場合、中央アジア(ウズベキスタン、キルギス、カザフスタンなど)を 経由してトルコへ抜けるルートが現実的な選択肢になります。 通る国は変わりましたが、「陸路でユーラシアを西へ抜ける」という骨格は今も成立します。
現在のルートとの重なり
作中のルートと、現在の一般的な世界一周ルートを重ねると、 いくつもの土地が共通しています。
| 地域 | 作中 | 現在の世界一周ルート |
|---|---|---|
| 東南アジア | タイ、マレー半島、シンガポール | いまも定番区間 |
| 南アジア | インド、ネパール | いまも定番区間 |
| 中央アジア〜中東 | アフガニスタン、イラン経由 | 中央アジア諸国経由に置き換わることが多い |
| トルコ | アンカラ、イスタンブール | いまもアジア・欧州の結節点 |
| 南欧 | ギリシャ、イタリア、スペイン、ポルトガル | いまも定番区間 |
現在のルートの組み方や、各区間のビザ・物価については、 姉妹サイト世界一周.comで解説しています。 実際にこの地図をたどる旅の記録は自分の旅の記録にまとめています。