深夜特急.com

デリーからロンドンまで、
乗合バスで行けるか

たったひとつの問いから始まった旅の記録が、日本の個人旅行の形を変えました。 沢木耕太郎『深夜特急』を、作品として解説します。 そして半世紀を経たいま、同じ地図の上を進む旅の記録も、ここに残していきます。

2026年8月開設/ちんあなご

『深夜特急』とは

『深夜特急』は、作家・沢木耕太郎による紀行作品です。 インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスで行けるか という思いつきから始まった、一年以上におよぶユーラシア放浪の記録として書かれています。

実際の旅が行われたのは1974年、著者が26歳のとき。 書籍として世に出たのはそれから10年以上あとで、 第一便『黄金宮殿』と第二便『ペルシャの風』が1986年、 第三便『飛光よ、飛光よ』が1992年に刊行されました。 現在広く読まれている新潮文庫版は、全6巻に再編されたものです。

当サイトは本文を掲載していません

当サイトは作品の内容の解説と背景情報を扱うファンサイトです。 作品の本文は掲載していません。旅の描写そのものは、 書籍でしか味わえないものだと考えています。 興味を持たれた方は、ぜひ新潮文庫版などでお読みください。

3分でわかる『深夜特急』

全6巻という分量に構える前に、この作品がどういう形をしているかだけ先に押さえておくと、 読み始めてから迷いません。

ジャンル紀行/ノンフィクション。小説ではありません
旅の時期1974年。著者26歳
出発点日本。ただし物語は香港から動き出す
目的地ロンドン
移動手段乗合バスを中心とした陸路
期間1年以上
文庫新潮文庫版 全6巻(構成を見る

いちばん重要なのは「デリーから」のはずの旅が、香港から始まるという点です。 しかもデリーに着くのは3冊目の終わり。 つまり全6巻の半分は、本題に入る前の寄り道でできています。

この作品が旅行記と違うところ

普通の旅行記は「どこへ行き、何を見たか」を書きます。 『深夜特急』が書いているのは、なぜ先へ進めないのかです。 街が面白くて動けない、動く理由が見つからない、着いてしまうと終わってしまう。 予定どおりに進まないことそのものが主題になっている—— これが半世紀読み継がれている理由だと考えています (作品解説)。

どこから読むか

短い疑問への答えはよくある質問へ。 実話なのか、何巻から読むか、いま同じルートをたどれるのか—— 定番の質問に一問一答で答えています。

50年後の、同じ地図

作中の旅は1974年のものです。 当時バスで抜けられた国のいくつかは、いま同じようには通れません。 通貨も、国境も、旅の道具も変わりました。 それでも、地図の上に引かれた線そのものは残っています

このサイトでは、作品の解説と並べて、 いま実際に世界を一周する旅の記録も残していきます。 同じ土地が半世紀でどう変わったのか、あるいは変わらなかったのか。 比べられる形で書いていくつもりです。

たどれる区間と、たどれない区間

作中の経路を現在の地図に重ねると、きれいに3種類に分かれます

区間現状
香港・東南アジア
1巻2巻
ほぼそのままたどれる。マレー半島の陸路南下も健在
インド・ネパール
3巻
順路は同じでたどれる。ただし事前のeビザが必須など手続きは別物
パキスタン〜イラン
4巻
同じようにはたどれない。中央アジア経由での代替になる
トルコ〜ロンドン
5巻6巻
そのままたどれる。ただし物価が当時とは別世界

つまり作品の中盤だけが、本を読む以外に体験する方法を失っています。 こちらの旅では、その区間を中央アジア経由で置き換えました。 同じ道ではありませんが、同じ方向へ同じように陸路で抜けます (作中の経路との対応)。

旅の記録 — 朝から晩までライブ配信

この旅は記録するだけでなく、移動も食事も国境越えも含めて ライブ配信する予定です。現在地・ルート・旅費・機材はこちら。

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