『旅する力―深夜特急ノート―』— 7巻ではない、旅をめぐる長編エッセイ
『深夜特急』は全6巻で、第6巻のロンドンで終わります。 『旅する力』は7巻にあたる続編ではありません。 新潮社の紹介では、本編に書かれていない裏話や、デビュー直後の出来事を収めた著者初の長編エッセイです。 単行本は2008年11月28日(296ページ、1,760円)、新潮文庫は2011年4月26日(384ページ、781円)に出ています。
編集:ちんあなご編集部/最終確認:2026年11月7日/作品本文の引用はありません
基本情報(単行本と文庫)
| 単行本 | 新潮文庫 | |
|---|---|---|
| 発売日 | 2008年11月28日 | 2011年4月26日 |
| ページ数 | 296ページ | 384ページ |
| 価格(税込) | 1,760円 | 781円 |
| 特徴 | 初の長編エッセイとして刊行 | 巻末に対談「あの旅の記憶」 |
文庫のほうが88ページ多いのは、対談など文庫で加わった部分があるためと考えられますが、 単行本との中身の差し引きは今回は確かめていません。 『深夜特急』の単行本が1986年から1992年、文庫が1994年、増補新版が2020年と続くなかで、 この本が出た2008年は、1994年の文庫と2020年の増補新版のちょうど間にあたります(年表 — 旅と本のあいだ)。
章の構成
新潮社の文庫の目次は、次の並びです。 題の一つひとつが「旅」の語を含んでいる点が、この本の性格をよく表しています。
| 区分 | 題 |
|---|---|
| 序章 | 旅を作る |
| 第一章 | 旅という病 |
| 第二章 | 旅の始まり |
| 第三章 | 旅を生きる |
| 第四章 | 旅の行方 |
| 第五章 | 旅の記憶 |
| 終章 | 旅する力 |
| あとがき | — |
| 対談 | あの旅の記憶(大沢たかお × 沢木耕太郎) |
新潮社の要約によると、旅とは何か、人はなぜ旅に惹かれるのかを、著者自身の体験から考える本です。 『深夜特急』が生まれる前の歩みや、ロンドンまで陸路で行くことを迷っていた頃の思い、 旅先の困難が人を成長させること、年齢に合った旅のあり方にも触れているとされています。 旅の途中の記録である『深夜特急』に対して、こちらは旅を後から振り返り、考える本という位置づけです。 旅から12年後に書かれた『深夜特急』の成り立ちは沢木耕太郎という書き手にあります。
文庫の巻末対談は大沢たかお
文庫の巻末には、大沢たかおとの対談「あの旅の記憶」が入っています。 大沢たかおは、ドラマ『劇的紀行 深夜特急』(1996〜98年)で主人公を演じた俳優です。 ドラマ側の情報はドラマ版の解説と全3部の各部が描く土地にあります。
この対談が単行本にも入っているかは、確かめられていません。 対談を目当てに買うなら、文庫の表示(巻末に対談とある版)を選んでください。 なお『深夜特急』本編の巻末対談6本は、巻末対談の題名と相手に別にまとめています。
読む順番
- 『深夜特急』を読む前でも読める:旅についての考えが中心なので、読む順の縛りは新潮社の紹介からは読み取れません。
- おすすめは、半分くらい読んだあと:『深夜特急』を3巻(デリー到着)まで読んだ頃に開くと、「なぜ寄り道が続くのか」の見方が増えるはずです。これは当サイトの読み方の提案で、公式の案内ではありません。
- 全6巻を読み終えたあと:旅の背景を補う1冊として自然につながります(沢木耕太郎の旅の本)。
書店や通販で「深夜特急 7」「深夜特急 続き」と検索しても、新潮文庫の『深夜特急』の巻数は6までです(全6巻の構成)。 旅の裏話を読みたいときの本が、この『旅する力』です。